tener’s diary

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【ディズニー映画感想企画第52弾】『シュガー・ラッシュ』感想~異色のピクサー風作品~

 はい、ディズニー映画感想企画第52弾です。今回は『シュガー・ラッシュ』についての感想記事を書きたいと思います。これも第三期黄金期の作品の一つとしてわりと知名度が高いほうの作品でしょう。一時期はネット人気がやたら高かった作品でもありますね。そんな『シュガー・ラッシュ』について語っていきたいと思います。

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【基本情報】

第三期黄金期の継続

 『シュガー・ラッシュ』は2012年に公開された52作目のディズニー長編アニメーション映画です。原作は存在せず、ディズニーの完全オリジナルストーリーです。監督はリッチ・ムーア氏が務めました。リッチ・ムーア氏はそれまで『ザ・シンプソンズ*1でいくつかの話の監督を務めるなどして、すでにアニメーション業界でそれなりに名の知られた人物でした。そんな彼がディズニー映画の監督を本作で初めて務めることになったのです。なお、彼はのちに『ズートピア』で再びディズニー映画の監督に携わっています。

 そんな実績ある監督の下で制作された本作は商業的に大成功を収めました。前々作『塔の上のラプンツェル』には一歩及ばなかったものの、『美女と野獣』や『アラジン』など第二期黄金期前半の作品と比べても遜色ないレベルの興行収入*2を本作は記録しました。こうして、本作は2010年代のディズニー第三期黄金期が依然として継続中であることを示した作品となったのです。

 さらに本作は批評家たちからもかなり高く評価されました。その証拠に本作はまずアカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされています。ディズニー映画でこの部門にノミネートされた作品は2009年の『プリンセスと魔法のキス』以来になります。さらに、本作はアニー賞*3にて長編作品賞を含む5部門を受賞しています*4。ディズニー映画(ピクサー除く)がアニー賞の長編作品賞を受賞したのは1998年の『ムーラン』以来のことなので14年ぶりの快挙なんですよね。

 このように本作は興行収入の面でも批評家からの評価の面でも好成績を記録し、第三期黄金期におけるディズニーの成功作の一つとなったのです。それゆえなのか、のちに2018年には本作の続編として『シュガー・ラッシュ:オンライン』が公開されていますね。第三期黄金期の作品の中では最初の「続編」制作作品となりました。


カメオ出演

 『シュガー・ラッシュ』はビデオゲームの世界を舞台にした作品です。それゆえに、本作では「実在のゲーム」のキャラクターが多数登場します。これは1988年のディズニー実写映画『ロジャー・ラビット』や1995年のピクサー映画『トイ・ストーリー』での手法を参照にしています。これらの映画でも「実在のカートゥーン」や「実在のおもちゃ」が多数登場していました。本作でも同じように「実在のゲーム」をカメオ出演させる演出がとられました。

 この演出のためにディズニーは任天堂を始めとする多くのゲーム会社と交渉し、それらのゲームに登場するキャラクターを作品で使用するためのライセンスを取得しました。こうして、『ロジャー・ラビット』や『トイ・ストーリー』のような演出が本作でも行われるようになったのです。具体的には、パックマンザンギエフやQバートなどのキャラクターが「実在のゲーム」からカメオ出演したキャラになります。


ミュージカル映画として

 実は本作はミュージカル映画ではないです。これまでの記事で述べてきた通り、『プリンセスと魔法のキス』以降の第三期黄金期ディズニーは伝統的な本格ミュージカル路線への回帰をその一つの特長としていました。しかし、本作はその流れから完全に外れてるんですよね。本作にはオリジナルのミュージカル曲を用いたミュージカルシーンは一切なく、既存曲がBGM的な劇中歌として2曲ほど流れるだけです。その点で本作はこの時期のディズニー作品としては異色だと言えるでしょう。次作の『アナと雪の女王』はまたがっつりミュージカル路線に戻ってますしね。

 ただ、その後『ベイマックス』や『ズートピア』など非ミュージカル作品もディズニーは作っているので、『シュガー・ラッシュ』は当時のディズニーのそうした作品の走りとみなすこともできるかもしれません。第三期黄金期ディズニーは『塔の上のラプンツェル』『アナと雪の女王』のような本格ミュージカル作品と『ベイマックス』『ズートピア』のような非ミュージカル作品とが混在しているんですよね。本作『シュガー・ラッシュ』はこのうち後者のタイプの作品の先駆けなのでしょう。




【個人的感想】

総論

 僕はこの『シュガー・ラッシュ』が第三期黄金期の作品の中でも上位に来るレベルで大好きですね。純粋に作品としてのクオリティがめちゃくちゃ高いです。この作品は今までの第三期黄金期ディズニーの「伝統回帰」路線とはちょっとずれてる"異色作"なのですが、それはそれで普通にめちゃくちゃ面白い作品に仕上がっています。ラセター体制の特長である"well-made"な脚本がかなり生きているんですよねえ。その脚本の作りこみの高さゆえに、とても感動する名作に仕上がっています。どっちかというとディズニーよりもピクサーっぽい作品なのですが、ピクサー作品も好きな僕としては十分に楽しめました。しかも、ピクサー作品の中に本作を並べたとしても、本作はそのピクサー作品の中でも上位陣に食い込むレベルのクオリティだと感じます。

 以下、詳細な感想を述べていきます。


ピクサーっぽい作風

 上でも述べたようにこの『シュガー・ラッシュ』はウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品というよりはピクサーの作品っぽさがあるんですよね。ピクサー作品の特徴として「人間世界に隣接した人外たちの世界」というものがあると思うんです。例えば、『トイ・ストーリー』では「おもちゃの世界」、『バグズ・ライフ』では「虫の世界」、『インサイド・ヘッド』では「人の脳内の世界」、『ファインディング・ニモ』では「魚の世界」といった感じです。こういう「面白い発想の世界観」こそがピクサー作品の魅力の一つでしょう。

 本作『シュガー・ラッシュ』も「ゲームの世界」という、非常にピクサーらしい舞台設定がなされています。ピクサーの名作『トイ・ストーリー』シリーズでは僕ら人間が普段さりげなく認識してるもの*5をおもちゃ目線で描くことで、その独特で新鮮な世界観を提供してくれています。同じように本作『シュガー・ラッシュ』でもゲームのキャラ目線で人間世界の色々なものを描くことでその面白い世界観を観客に見せてくれています。ゲームもおもちゃと同じく子供向けの娯楽道具なのでその点で『トイ・ストーリー』シリーズを彷彿とさせるところもありながらも、おもちゃとはまた違う「ゲーム」という要素の独自性によって『トイ・ストーリー』シリーズとの差別化もちゃんとできています。こういう「世界観・舞台設定の面白さ」は本作の大きな魅力の一つだと思いますねえ。


ゲームを生かした小ネタ

 上で述べたように、本作はピクサー作品のような「面白い世界観」が魅力の一つとして機能しています。まず、ゲームの画面の向こう側という設定がとても面白いんですよね。それゆえにゲームならではの「小ネタ」が本作では至る所で見られます。先に述べた「実在ゲームキャラの出演」などはその一例です。ただ、これに関しては僕はぶっちゃけ全くゲームやらないのであんまり分かんないんですよね。これは作品の問題ではなく単に僕の知識不足によるものなんですけどね。

 Qバートやザンギエフなどの実在のゲームキャラが実際に登場しています。他にも、本作で登場した『パックマン』や『タッパー』なども実在のゲームらしいです。どのゲームも僕はやったことないので全くピンと来ないんですが、ゲーム好きな人には「おっ、懐かしいな」という気分にさせてくれるネタなのでしょう。

 電源コードを通じて鉄道のような形で全てのゲームが繋がっているという設定も面白いですね。これは家庭用ゲームではなくアーケードゲームだからこその発想でしょう。ニューヨークのグランド・セントラル駅*6を模したゲーム・セントラル・ステーションがテーブルタップにあるという設定もアーケードゲームらしくて面白い設定です。こういう面白い発想に基づいた新鮮味のある世界観が本作の魅力なんですよねえ。ゲームならではの世界観って感じがして見ているだけで非常に面白いです。

 他にも、ヴァネロぺのバグ持ち設定やフェリックスがカルホーン軍曹を「なんて‟解像度”の高い顔だ」と言って褒めたシーンや軍曹の部下による「軍曹には悲しい記憶が‟プログラム”されている」発言など、ゲームの世界であることを感じさせてくれるような小ネタが至るところに含まれています。キャンディ大王がプログラムを直接弄っているシーンなんかもそういうゲームらしさを感じさせてくれますね。その際にキャンディ大王が入力した「上上下下……BA」というコマンドも、コナミコマンドと呼ばれる有名な隠しコマンドらしいですしね。こういうところでも「ゲームならではの小ネタ」が登場して、ゲーム好きを喜ばせてくれます。ゲームを全くやらず、本作を見るまでコナミコマンドとか聞いたことすらなかった僕ですら、あとでこういう情報を知ってその「芸の細かさ」に感心しました。


色んな世界観

 上述の通り、本作では「たくさんのゲームがコードでつながっている」というアーケードゲームならではの設定があります。その設定ゆえ、本作にはそれぞれのゲームごとに個性的な世界観が存在します。一つの映画作品の中で「複数のそれぞれ全く別々の世界観」が楽しめるのも本作の魅力なんですよね。『タッパー』や『パックマン』のような実在ゲームの世界観も本作では楽しめますが、それだけでなく実在しない本作オリジナルのゲームの世界観も楽しめます。本作に登場するオリジナルゲームは「フィックス・イット・フェリックス」「ヒーローズ・デューティ」「シュガー・ラッシュ」の3つですが、それぞれ個性的な世界観を持っていてとても魅力的に感じます。

 主人公ラルフの所属するゲーム「フィックス・イット・フェリックス」は主にマンションと瓦礫の山だけのシンプルな世界ですが、昔の8ビットゲームらしさが存分に生きた舞台設定になっています。解像度の低いドット絵が特徴の8ビットゲームらしく全体的にカクカクしたデザインになっているんですよね。マンションから出る花火や崩れたケーキの破片などがいかにも「8ビットゲームの画面に映るドット絵」っぽくなってるのが面白いです。フェリックスたちキャラクターの動きもカクカクした動きになっていて、滑らかな動きをゲームでまだ表現できなかった古い時代のゲームであることがうかがえるような設定になっています。こういう芸の細かさが素晴らしいです。30周年記念パーティでのフェリックスたちによるダンスの動きなんかまさにそんな感じで、「昔の8ビットゲーム」らしさを感じさせてくれました。このパーティで使われた曲が"Celebreation"*7なのも、このゲームが1980年代にできた「昔のゲーム」であることを印象付ける演出として機能しています。

 レトロゲームらしい演出が目立った「フィックス・イット・フェリックス」とは対照的に、「ヒーローズ・デューティ」は最新のゲームであることがうかがえるような表現になっています。解像度も動きのなめらかさも格段に上がった「今どきのシューティングゲーム*8感ある世界観になっています。サイ・バグによる迫力あるアクション映像がいかにも最近のゲームらしいんですよね。古いゲーム出身のラルフが「いつからゲームはこんな暴力的で怖くなったんだ?」と嘆くセリフが面白いですね。「フィックス・イット・フェリックス」と「ヒーローズ・デューティ」の個性の違いを感じさせるセリフになっています。近未来SFっぽい舞台設定もまたこのゲームが最近のものであることを示してくれていますね。これもまた魅力的な世界観の一つを担っています。

 そして、「フィックス・イット・フェリックス」や「ヒーローズ・デューティ」以上に本作で大きな存在感を放っているゲームが「シュガー・ラッシュ」です。本作の邦題にもなっているゲームですね*9。このゲームも「ヒーローズ・デューティ」と同じく最近のゲームという設定なのですが、殺伐とした近未来SF感が特徴の「ヒーローズ・デューティ」ともまたずいぶん違った雰囲気のゲームになっています。

 日本生まれのゲームという設定でわりと「任天堂」っぽい世界観のゲームなんですよね。実際、このゲームは任天堂の実在ゲーム「マリオカート」がモデルになっています。「お菓子の国」という子供向けの絵本にありそうな感じのファンシーな世界観がまさに任天堂っぽくて面白いです*10。日本生まれのゲームという設定ゆえ、ヴァネロぺ含む本ゲームのレーサーたちの衣装は日本の原宿ファッションを取り入れたデザインになっています。こういうところでもまた本作の世界観表現のための芸の細かさを感じさせてくれます。

 「シュガー・ラッシュ」は任天堂の「マリオカート」が元ネタのゲームだけあって*11、終盤のカーレースシーンではまさにマリオカートらしい演出がはっきりと確認できます。他レーサーを妨害できるアイテムを道中で拾えたり、通ると加速できる道が矢印で描かれていたりなど、完全に「マリオカート」です。そういう演出も気付けると楽しいんですよね。本作の魅力の一つになっていると思います。


お菓子の世界らしさ

 また、この「シュガー・ラッシュ」というゲームでは「お菓子の国」という設定を生かした小ネタが多数散りばめられてるんですよね。例えば、ネスクイック*12を使って流砂を表現したり*13、そこから抜け出すためにLaffy Taffy*14を利用したり、オレオ*15の兵士が出てきたり、工場の守衛がビアードパパ*16だったり……などの例がそうです。

 「ゲームならではの小ネタ」だけでなくこういう「お菓子の世界ならではの小ネタ」も本作では楽しめるんですよねえ。楽しい舞台設定です。他にも、キャンディ大王に仕える2人の警官のドーナツがウィンチェルとダンカンになっているのもそうした小ネタの一つでしょう*17。また、警察キャラがドーナツなのもアメリカらしいネタではあります*18。こういうちょっとした小ネタに気付くとそれだけで嬉しくなりますね。

 特に、こういう「お菓子の世界らしさ」が生きた小ネタの中でも秀逸なのが「ダイエットコーラの火山」でしょう。コーラ瓶を模した山の内部にダイエットコーラの温泉があり、火口から落ちてくるメントス*19でそれが噴火するというネタは、有名な「メントスコーラ」*20の話を元にしていてそれだけでも面白いです。そのうえ、これは単なる「お菓子の国らしい小ネタ」としてだけではなく、終盤での展開の伏線としても機能してるんですよね。こういうふうに世界観の表現のための小ネタをストーリー展開上の重要な伏線としても利用するストーリー作りの上手さにも感心させられます。


ストーリー作りの秀逸さ

 本作はラセター体制の特徴である「技巧的なストーリー作りの上手さ」がかなり際立つ作品でもあります。以前、【ディズニー映画感想企画第47弾】『ルイスと未来泥棒』感想~新たなる体制の始動~ - tener’s diaryの記事でも「ミステリー的なストーリー展開の巧みさ」をラセター体制の特徴として挙げて褒めていましたが、本作は『ルイスと未来泥棒』のときと同じぐらいミステリー的なストーリー作りが上手いです。伏線の張り巡らし方が非常に秀逸なんですよね。

 特に巧みさを感じたのがサプライズ・ヴィラン*21の描き方です。ラセター体制のディズニー&ピクサー作品ではサプライズ・ヴィランズの登場がしばしば見られますが本作もその例外ではありません。本作のヴィランであるキャンディ大王もそのようなサプライズ・ヴィランの一種となっています。

 しかし、本作のサプライズ・ヴィランの描き方は通常のサプライズ・ヴィランとはかなりタイプが違います。ディズニー映画で良く見かける通常のサプライズ・ヴィランって単に「最初は善玉キャラだと思われてたけど後に悪役だと分かる」という構図なんですが、本作のキャンディ大王は「最初は悪役だと思われる→中盤で実は善玉キャラっぽくなる→後半でやっぱり悪役だと分かる」というふうに2回もどんでん返し要素があったんですよね。その点で他の作品のサプライズ・ヴィランズよりもサプライズ要素の構造が複雑で魅力的になっています。

 しかも、ヴィランのサプライズ要素のための伏線の張り方がかなり秀逸です。前半で「ターボ」という用語を頻繁に登場させフェリックスにその意味も説明させることで、キャンディ大王の正体への伏線を上手に張ってるんですよね。しかも、ただ無意味に「ターボ」という単語を出すだけじゃ当然「伏線じゃないか?」と悟られるので、それをラルフの実際の行動(よそのゲームに侵入しメダルをとる)と結び付けて出すことでその単語の登場を自然なものに思わせています。そうすることで、上手く文字通り‟伏せられた”(つまり観客から伏線だと序盤で見破られにくい)伏線になっています。だから、後半でキャンディ大王の正体が明らかになった時に意外性と納得感を強く感じさせてくれるんですよね。すごく良く出来たミステリー的サプライズ要素だと思います。本作を初めて見た時は僕も素直に驚いて大いに感心しました。

 また、このヴィランの倒し方についての伏線の張り方もかなり秀逸なんですよね。序盤の「ヒーローズ・デューティ」のシーンでのサイ・バグがビーコンの光に集まるシーン、そして中盤でのダイエットコーラの火山とメントスのシーン、この2つが終盤での悪役キャンディ大王の倒し方の伏線になってるんですよね。しかも、どっちのシーンも上で述べたような「世界観を表現するための小ネタ」としても機能しているので*22、単にそのためだけのシーンだと思われてすぐには伏線だとは気付かれにくい仕組みになってるんですよね。こういうさり気ない伏線の張り方が本作は本当に上手です。感心します。

 ついでに言えば、終盤でのターボのサイ・バグ化の展開も伏線の張り方が上手かったと思います。サイ・バグが食べたものに変異するという設定は確かに前半で出てきましたが、終盤でその設定をすっかり忘れていた僕は、レース中にサイ・バグに食べられたターボがサイ・バグ化して再び登場するとは思ってなかったので、終盤の展開にはすっかり驚かされました。最初に本作を見た時は、あれでターボはあっさり死んだのかと思っちゃいましたよ。ああいうふうにあっさりと悪役が死ぬ展開は今までのディズニー映画で良くありましたしね。だから、そうじゃなかったと後に知ったときは素直に驚かされましたし感心しました。ここで一捻り入れるストーリー作りの巧みさが素晴らしいですよね。これも上手い伏線の張り方だと思います。前半で小出しにした設定がしっかりと後半で生きています。

 また、個人的に印象的だったのはラルフの「チョコレート嫌い」発言ですね。マンションの住人の作ったケーキに文句を言うシーンやウィンチェル&ダンカンの警官から逃げた後のシーンでしばしばラルフは「チョコレート嫌い」と発言しています。それが終盤にターボを倒しヴァネロぺと一緒にチョコレートの池に落ちたシーンでは「チョコレート大好き」って発言してるんですよね。些細な小ネタではありますが、こういうところでも前半までのシーンでの発言がちょっとした伏線として上手く機能しています。この部分はラルフの心境の変化・成長を象徴する演出として解釈することもできるんですよね。実に上手いやり方です。


感動できるストーリー

 ここまで、世界観の面白さや伏線の巧みさなどに注目してきましたが、本作はそういう理屈っぽいこと抜きで感情に呼びかけてくる魅力もあります。普通に今までの名作ディズニー映画同様にめちゃくちゃ感動するストーリーなんですよね、これ。僕はこの作品を見るたびに必ず感動して泣いてしまいます。

 本作の感動要素は『ダンボ』や『リロ・アンド・スティッチ』のそれに近いと思います。どちらも「周囲から嫌われ迫害されて孤独を抱えていた者が幸せになるストーリー」です。僕はおそらくこういうテーマにかなり弱いんだと思います。本作も、悪役という設定ゆえにみんなから嫌われ孤独だった主人公ラルフが、自分と似たような境遇のヴァネロぺと出会い彼女のヒーローとなることで幸せを掴む物語です。こんなの感動しないわけないんですよね。

 終盤でラルフがヴァネロぺを救うために身を挺してダイエットコーラの火口に突っ込むシーンはかなり感動します。この時に、序盤の悪役会議でのスローガンをラルフが改めて口にするのがまたエモいんですよねえ。悪役であることも悪くないとラルフが思えるようになったというその心境の変化が改めてうかがえる名シーンです。この時にラルフがヴァネロぺから貰ったメダルを見る演出も泣けます。「ヒーローズ・デューティ」で取ったメダルなんかよりもヴァネロぺから貰ったメダルのほうがラルフにとっては真に支えとなったんだということがうがかえる良い展開です。そういう諸々の効果が一気に襲ってくるおかげで、このシーンは本当にいつ見ても涙が止まりません。

 その後のエンディングも素晴らしく泣けます。今までラルフにとって嫌なことの代表例だった「ゲーム終了後にマンションから突き落とされること」が、エンディングのシーンでは「ヴァネロぺの活躍が見れる」という理由で一番好きな瞬間に変わっています。このラルフの変わりようにまた泣けるんですよねえ。ヴァネロぺの存在によってラルフが本当に心の底から救われたことが分かる素晴らしい終わり方です。ラルフ同様にただただ幸せな気持ちになれる感動的なエンディングだと思います。このシーンでも僕は泣きました。


キャラクター

ラルフ

 本作の主人公です。短気な暴れん坊でおっちょこちょいな欠点だらけのキャラとして描かれながらも、中盤からはヴァネロぺのためにどこまでも頑張れるように変わる魅力的なキャラとしても描かれてるんですよね。本作はこのラルフ視点で終始描かれている物語であり、観客がラルフに強く感情移入できるような描写が上手くなされています。実際、序盤のラルフの境遇はめちゃくちゃ可哀想ですもん。「フィックス・イット・フェリックス」の住民たちからほぼ虐めみたいな扱いを受けている序盤のラルフに心底同情するからこそ、その後のラルフの成長に本気で感動できるんですよね。最後のほうでラルフが幸せになれたのを見るとこっちまで幸せな気分になります。

 あと、「壊すことしかできない」という設定もなかなかに良いですね。いかにも悪役らしい設定である一方で、後半にラルフがその「悪役らしい個性」を生かしてヴァネロぺのために活躍する展開が実に良く出来ています。先述した、ダイエットコーラメントスをラルフの個性で壊す終盤のシーンは、彼の悪役らしさがヴァネロぺの役に立ちラルフ自身の救いにもなったことを象徴する素晴らしいシーンだと思います。だから泣けるんですよね。

ヴァネロペ

 本作のヒロインです。ラルフの救いとなった存在であり、彼女もまたラルフと同じような孤独を抱える存在なんですよね。ただ、本作の上映途中までは僕はぶっちゃけヴァネロペのキャラがあんまり好きじゃありませんでした。だって、ラルフに感情移入した状態で見ると序盤のヴァネロペってまさに「クソガキ」としか言いようがないキャラですもん。ああいう憎たらしくて生意気な子供キャラってリアルでもたまにいますし、そういう意味ではリアリティあるキャラ描写ではあるんですがだからこそ普通にイラつくので嫌いなんですよね。ああいうタイプの子供はリアルでも苦手です。ラルフが彼女にイラつくのも無理はないと思っちゃいます。

 でも、そんなヴァネロペの嫌悪感は途中から一気に薄れます。中盤で、彼女もまたラルフと同じく色々とつらい生活を送ってきたことが明らかになったことで、ラルフと一緒にヴァネロペに同情できるようになるんですよね。本作は終始ラルフに感情移入しながら見れる物語になってるので、それゆえに途中からラルフが徐々にヴァネロペに心を開くようになるにつれ、観客の僕もヴァネロペに心を許すように心境が変化していくんですよね。コーラの火山の中でラルフとヴァネロペがお互いの悩みをさらけ出して絆を深めていくシーンは何度見ても素晴らしいです。自然と僕もヴァネロペに感情移入するようになります。

 ヴァネロペがラルフを自分のヒーローと認めて手作りのお菓子メダルを渡すシーンではすっかりヴァネロペも魅力的なキャラに変わっています。そして、終盤ではヴァネロペもまたラルフのために活躍するシーンがあるんですよね。ラルフが身を挺してコーラの火山に突っ込んだのをヴァネロペが車で助けるそのシーンは格好良くて興奮しますね。全てが終わった後で、ヴァネロペがラルフに「城で暮らしても良いんだよ」と言うシーンも個人的に好きです。ヴァネロペもまたラルフのことを思いやってるのだと分かる良いシーンです。

フェリックスとカルホーン軍曹

 本作は主にラルフとヴァネロペの物語ですが、その箸休め的な感じでちょいちょいフェリックスとカルホーン軍曹の恋愛ストーリーが挟まります。ぶっちゃけ、この部分はなくても良い要素な気はしなくはないんですが、ネスクイックの流砂のシーンとかそれなりに笑えるギャグシーンとして面白かったのでそんなに苦痛ではなかったです。

 フェリックスはラルフの苦しみに気付かず、マンションの住人たちによるラルフ虐めに間接的に協力してたようなものなんですが、彼のラルフへの接し方やカルホーン軍曹との交流シーンを見せることで彼も根は悪いやつじゃないということが分かるような描写がされています。牢屋での会話を通してフェリックスがラルフの苦しみに気付きエンディングではラルフに優しくなった展開が描かれたことで、僕が序盤でフェリックスに対して抱いていた嫌悪感が終盤までには多少和らぎました。なので、そんなフェリックスのキャラ描写を深めるためにも、上記のフェリックスの恋愛&冒険シーンもそれなりに必要だったと言えると思います。このシーンでのフェリックスの苦労描写があるからこそ、その苦労がラルフにとっては日常だったのだと後にフェリックスが知る展開に繋がるわけですからね。

 フェリックスのパートナーとして出てくるカルホーン軍曹についてはぶっちゃけあまり色々と思うところも特にないのですが、今までのディズニー映画では見かけないタイプのキャラなので珍しさと新鮮さは感じましたね。出身ゲームの「ヒーローズ・デューティ」の雰囲気に合ったキャラではありますが、こういう「厳格な鬼軍曹」的な女性軍人キャラってディズニー映画では珍しいですからね。ちょっと新鮮でした。

キャンディ大王

 本作のディズニー・ヴィランです。先述した通り、彼はディズニーの歴代サプライズ・ヴィランズの中では個人的に一番上手い描かれ方をしていると思います。伏線の張り方がかなり秀逸でしたからね。また、彼のキャラクター性も僕は好きです。『ふしぎの国のアリス』のマッドハッタ―をモデルにしたというだけあって、なかなかにシュールでコミカルな言動が目立つんですよね。頻繁にジョークを言う様子はコミカルである一方、『ふしぎの国のアリス』でも感じたような不気味さや狡賢さを観客に感じさせてくれます。そういうところでディズニー・ヴィランズらしい意地悪さを演出しているのが素晴らしいです。魅力的なヴィランだと思います。

マンションの住人たち

 僕が本作で唯一「嫌な気持ち」になったキャラたちですね。序盤でのラルフ虐めを何の疑問もなく行っていた「フィックス・イット・フェリックス」のマンション住人たちにはぶっちゃけ嫌悪感しか抱けません。フェリックスは上述の通りその他の描写によって多少許せるキャラになりましたが、他のマンション住人たちに対しては何ともスッキリしない感情を最後まで抱き続けてるんですよね。今まで散々ラルフのことを迫害していたくせに、最後の最後で特にラルフに謝ったりした描写もないまま急に掌を返して虐めをやめた展開もあまりに都合が良すぎて好きになれません。

 特に、個人的に気に入らないのがビッグ・ジーンですね。彼が一貫してラルフに敵意をむき出しにしているのが本当に不快でしたね。そのくせ、中盤では空っぽになったマンションをラルフに見せて偉そうに説教する始末です。あの説教を聞くたびに「元はと言えばあんたがラルフを追い詰めたから招いた事態だろうに……」という感想がどうしても抑えられずビッグ・ジーンへのヘイトばかりが溜まりますね。

 そんな訳で、マンションの住人たちに対して抱く嫌悪感は本作の唯一の欠点だと思います。こいつらへの不快感のせいで若干のモヤモヤした気持ちが視聴後に残ります。まあ、あくまでも彼らはモブキャラに過ぎず作品全体のメインストーリーにはあんまり関係ないので、本作全体を通して見た場合は些細な欠点に過ぎないんですけどね。本作には、そんな些細な欠点を補って余りあるほどの長所が他にめちゃくちゃたくさんありますし。


アクションシーン

 本作も名作ディズニー映画の例に漏れずアクションシーンがかなり豊富です。序盤の「ヒーローズ・デューティ」でのサイ・バグたちの迫力あるアクション映像からして凄かったですものね。最新のゲームらしさを感じさせる迫力満点の凄まじいアクションになっています。このサイ・バグたちは作品の終盤でのアクション要素もまた担っています。「シュガー・ラッシュ」のゲームの世界をたくさんのサイ・バグが襲い尽くす怒涛のアクションシーンはかなり見応えがあります。

 しかも、本作では久しぶりにヴィランとのバトルシーンがあったのも良かったですね。サイ・バグ化したターボとラルフがコーラ火山の上で戦うシーンは、歴代ディズニー映画のベストバウトシーンの上位に入ると感じます。ビーストvsガストン、アラジンvsジャファー、シンバvsスカー、ターザンvsクレイトン……など第二期黄金期のディズニー映画での終盤のバトルシーンを彷彿とさせるものがあります。サイ・バグ化したターボの強大さが良い感じにスリルを生んでくれていますしね。

 またカーレースシーンのアクション映像も素晴らしいですね。上で述べたように、「マリオカート」的なカーレースの映像が繰り広げられてるんですが、その映像が迫力満点で素晴らしいんですよね。多種多様なコースをたくさんの車が高速で駆け巡るアニメーション映像が鮮明に映し出されており、思わず画面に釘付けになります。カーレースの映像自体の面白さだけでなく、その途中で映し出される「お菓子の国らしいコース」の面白さもまた魅力的なんですよね。ホールケーキの山やキャンディポットから出てくるキャンディの岩の妨害などが、「お菓子の世界」らしい面白い世界観を表現してくれています。本作の特長の一つでもあるそういう魅力的な世界観がカーレースのスピーディーな映像とともに映し出されるのが好きなんですよねえ。素晴らしいアクション映像です。


アニメーション映像

 本作も前々作『塔の上のラプンツェル』に引き続きフル3DCGアニメーション作品となっています。そして、本作はこの「フルCG」であることが全面に生かせる設定なんですよね。だって、そもそもゲームって基本的にCGですからね。もともとCGで表現されている「ゲームの世界」という世界観をフル3DCGアニメーションで描くのはそりゃ向いてるに決まっています。ヴァネロペのバグの表現、「フィックス・イット・フェリックス」の8ビットらしいデザインなど、本物のゲームっぽさを感じさせる映像に仕上がっています。まさにフル3DCGの利点を最大限に生かせた映像だと思います。

 また、そういう「ゲームの世界」であることを抜きにしても、本作のCG映像のクオリティは純粋に高いです。『ボルト』辺りからの傾向なんですが、地面や肌や液体などの質感がかなり本物っぽくなっているんですよね。こういうリアリティあるCG映像の表現はこの頃のディズニー映画の特長の一つとして特筆すべきでしょう。素晴らしいです。


音楽

 先述の通り、本作はミュージカル映画ではないので劇中歌は既存曲しかありません*23。"Celebration"と"Shut Up and Drive"の2曲です。前者の曲は、上述した通りKool & the Gangによる1980年代らしさ全開の曲であり、この曲を「フィックス・イット・フェリックス」の30周年パーティのシーンで用いたことはこのゲームのレトロ感の演出に上手く役立っていると感じます。あと、もともと僕はKool & the Gangのこの曲が純粋に好きなので、その点でも本作でのこの曲の使用は嬉しく感じますね。

 "Shut Up and Drive"のほうは、あのリアーナ*24によって本作公開の5年ほど前にリリースされた曲です。ヴァネロペとラルフがコーラの火山の中で運転の訓練をするシーンで流れる曲ですね。これも既存曲ではありますが、リアーナの格好良い歌声がヴァネロペの運転アクションの雰囲気に合っていて選曲センスが良いなと思いました。

 以上2曲の既存曲の他に、本作のために新しく作られたオリジナルソングも3曲ほど存在します。ただし、これらの曲は主に劇中ではなくエンドクレジットのシーンで流れています。その中でも最初に流れ、本作の主題歌として特に目立っているのがOwl City*25による"When Can I See You Again?"でしょう。この曲はかなりシンセっぽい音が目立っており、電子ゲームの世界が舞台の本作に相応しい良曲に仕上がってると思います。僕は一時期この曲が大好きで何度もリピートして聞いていましたね。もともと僕はこういうシンセの目立つEDMっぽい曲が好きなので、かなり楽しめながら聴ける名曲だと感じました。8ビットゲームらしいレトロなドット絵が映し出されるエンドクレジットの映像にも合っています。

 その次に流れるオリジナル曲が"Sugar Rush"です。これは本作に登場する同名ゲームの主題歌という設定になっており、エンドクレジットだけでなく劇中でもちょっとだけ流れていますね。先述した通り、この「シュガー・ラッシュ」というゲーム自体が日本の任天堂のゲーム「マリオカート」をモデルにした日本生まれのゲームという設定になっているため、その主題歌として設定されてる"Sugar Rush"という曲も日本語の歌になっています。この曲はAKB48*26が歌っているだけあって、かなりJ-POPっぽい曲調に仕上がっています。「シュガー・ラッシュ」というゲームのファンシーな雰囲気にぴったりの良曲だと思います。これも個人的に結構好きなタイプの曲ですね。

 そして、エンドクレジットの最後に流れたのがBuckner & Garcia*27による"Wreck-It, Wreck-It Ralph"です。この曲はまたこれまでの2曲とは違う感じの曲調で耳に残ります。ちょっと一昔前のロックっぽい感じの曲になっているんですよね。これは1980年代のレトロゲーム出身のラルフについてのテーマソングだからなのかもしれません。こういう昔のロック音楽が好きな僕にとってはこの曲もわりと好みのタイプですね。しっかりと耳に残る爽やかな良曲だと思います。好き。


異色だけどかなりの名作

 以上、ここまで見てきたように本作は異色作でありながらかなりクオリティの高い名作に仕上がっているんですよね。これまでのディズニー映画の傾向と違って非ミュージカル作品ですし世界観の設定もかなりピクサーっぽいので、そういう意味では「異色作」なのですが、2000年代暗黒期のディズニー作品とは違ってちゃんと面白い異色作に仕上がっています。ピクサーらしい世界観描写の発想がめちゃくちゃ面白くて魅力的だし、秀逸に張り巡らされた伏線に感心するし、ストーリーのメインテーマにも感動させられます。ほとんど粗のない魅力だらけの完璧な名作と言って差し支えないでしょう。

 本作はラセター体制下の作品に特徴的なwell-madeさが特に目立つ作品の一つだと思います。上述した通り、伏線の張り方とその回収方法がめちゃくちゃ巧みなんですよね。だから本作のストーリー展開の一つ一つに潜むサプライズ要素にしっかり驚かされ感心させられるのです。こういうストーリー作りの技巧的上手さはその後の第三期黄金期の作品でさらに顕著になっていきます。本作の素晴らしい魅力の一つですねえ。そのストーリー展開の上手さもあってのことなのか、本作はかなり「泣ける」作品なんですよねえ。主人公ラルフに感情移入して終盤の展開に大いに感動させられる作品に仕上がっています。

 上でも述べましたが、実は僕ってビデオゲームにはめちゃくちゃ疎いんですよ。人生においてビデオゲームというものをやった経験がほぼ皆無なので、本作の公開前はこの作品をどこまで楽しめるかちょっと不安だったんですよね。でも、いざ本作を見てみたらゲーム音痴の僕でも問題なく楽しめて大いに感動できました。ゲームの知識の有無に関係なく高い満足度を与えてくれる、文句なしの名作だと言えるでしょう。僕は本作が本当に心の底から大好きですね。







 以上で『シュガー・ラッシュ』の感想記事を終えたいと思います。次回は『アナと雪の女王』の感想記事を書く予定です。それではまた。

*1:FOXテレビで放送されているアメリカの超有名なテレビアニメですね。もう何十年も続いてるかなりの長寿番組です。

*2:具体的には約4億7000万ドルの興行収入を記録しています。

*3:アカデミー賞などと比べると日本では若干マイナーかもしれませんが、アニメーション作品に関する国際的な賞です。

*4:また、3部門でノミネートもされています。

*5:例えば、UFOキャッチャーだとかおもちゃ屋だとか保育園だとかです。

*6:実際にニューヨークに存在する大きなターミナル駅です。

*7:1980年代に大流行したKool & the Gangという音楽グループによる超有名なパーティソングです。

*8:いわゆる「FPS」っていうタイプのゲームがモデルになってるらしいです。僕はこの辺り詳しくないのでどういう分類なのか良く分かっていないのですが……。

*9:ちなみに原題は"Wreck-It Ralph"なので、「シュガー・ラッシュ」のゲーム名とは関係ありません。主人公の名前から付けられたタイトルですね。

*10:と言いつつ、僕はゲームには本当に疎いのでこの「任天堂っぽい」というイメージもひょっとしたら実際の任天堂のゲームに対するそれから乖離してるかもしれません。ただ、本ゲームの元ネタであるマリオカートは一応数回ほど友達のを借りてプレイした経験はあります。

*11:ちなみに、「フィックス・イット・フェリックス」も任天堂の昔のアーケードゲーム『ドンキー・コング』がモデルになっているそうです。とは言え、僕はゲーム音痴ゆえ『ドンキーコング』については全く知らないので初めて見た時はピンと来なかったんですけどね。

*12:日本だと若干マイナーかもしれませんがアメリカでは有名な実在するお菓子製品です。その商品名から察せられる通りネスレが販売しています。

*13:ちなみに、これは英語で「流砂」を意味する"quicksand"とお菓子の"Nesquick"をかけたシャレにもなっています。

*14:これもアメリカで有名な実在のお菓子製品です。

*15:これは日本でも有名なので知ってる人も多いでしょう。ナビスコから販売されている実在のお菓子製品です。

*16:実在する日本の有名なシュークリームのチェーン店「ビアードパパの作りたて工房」のマスコットキャラクターですね。

*17:アメリカの有名なドーナツチェーン店であるウィンチェルドーナツとダンキンドーナツが元ネタです。

*18:アメリカでは映画やドラマなどでしばしば警察がドーナツを食べる姿がステレオタイプのテンプレとして頻繁に登場します。日本のドラマなどで張り込みの刑事がアンパンを食べるシーンがテンプレとして良く出てくるのと似たような感じですね。アメリカの創作だとそれがドーナツになるのです。

*19:メントスは日本でも有名な実在のお菓子製品ですね。

*20:ダイエットコーラのような炭酸飲料にメントスを入れると泡が一気に吹き上がる現象のことです。これは実際に実験すれば容易に確かめられる実在の現象ですね。おもしろ科学実験的な動画で良く紹介されているネタでもあります。炭酸飲料の中でも特にダイエットコーラでその反応が激しく観察できます。

*21:その名の通り「サプライズ」要素のあるヴィランズの総称です。この頃からディズニー映画で目立つようになってきたタイプのヴィランズですね。詳しくは【ディズニー映画感想企画第47弾】『ルイスと未来泥棒』感想~新たなる体制の始動~ - tener’s diaryの記事を参照してください。

*22:サイ・バグがビーコンに集まるのは現実の虫が光に集まる習性を元ネタにしたのは明らかですし、中盤でのダイエットコーラのシーンも上述した通りメントスコーラが元ネタですからね。

*23:正確に言うと、既存じゃない歌も1曲だけ流れてるのですが、その1曲"sugar Rush"が流れるシーンはわりと一瞬なので割愛します。エンドクレジットのシーンでちゃんとフルでまた流れますしね。

*24:"Diamonds"などの曲で知られるバルバドス出身の超有名歌手です。グラミー賞を何度も受賞しておりめちゃくちゃヒット曲が多いので多分皆さん何かしら彼女の曲を聞いたことあるんじゃないかと思います。

*25:"Good Time"などの曲で知られるアメリカの有名なミュージシャンです。

*26:音楽プロデューサーの秋元康によってプロデュースされた、言わずと知れた日本の超有名なアイドルグループですね。

*27:アメリカの有名なミュージシャングループです。